
はじめに
いま「黒字でも」M&Aの相談が増えています。以前は、「後継者がいないから譲渡するしかない」というご相談が中心でした。
しかし最近では、
- 人材の確保が厳しい
- 物価や人件費が上がった
- 報酬改定に左右される業界への不安
- 自分の代で一区切りつけたい
など様々な理由で、まだ経営できる状態でもご相談いただくことが増えています。
特に医療・介護業界では、慢性的な人材不足から、「応募が来ても定着しない」「管理者候補がいない」という悩みは非常に多く、単独経営に限界を感じ始めている法人様も多いのではないでしょうか。
一方で、M&Aに対しても「興味はあるけどよくわからない」といった漠然とした不安を抱える経営者様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、医療・介護業界専門で多数の支援実績を持つ当社が、医療・介護業界のM&Aについて、2026年最新版として詳しく解説いたします。
このコラムのポイント
- 後継者不在だけでなく、人材不足・物価高騰・将来不安などを背景に、黒字のうちから事業承継を検討するケースが増えています
- 小規模法人だとM&Aは難しいと思われがちですが、地域需要や人材体制によっては、小規模事業でも承継ニーズが存在します
- 職員雇用や患者・利用者を守るため、また成長戦略の一環としてM&Aを活用するケースがあります
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・M&Aを行う上での売手・買手それぞれの注意点とは
・開業医の「跡継ぎがいない問題」と第三者承継という選択肢
・介護事業の事業承継、親子だけで抱え込まない ― 後悔しない承継とM&Aという選択肢 ―
目次
医療・介護業界でM&A・事業承継が増えている理由
「赤字だから売る」ではなくなっている
以前のM&Aは、
- 資金繰り悪化
- 経営破綻
- 後継者不在
など、やむを得ない理由が中心でした。ただ最近は、少し流れが変わってきているように感じます。実際に当社へご相談いただく中でも、「まだ黒字だけど、将来を考えると不安」という経営者様にもお会いすることも増えました。
特に2025年以降は、
- 人件費高騰
- 採用競争激化
- DX投資負担
- 地域医療構想
- 報酬改定
など、単独経営では対応が難しくなっている課題もあるかと思います。
【医療業界】で増えているM&A相談内容
帝国データバンクの調査によると、2025年度の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の休廃業・解散件数は823件となり、過去最多を更新しました。特に休廃業増加は顕著で、10年前と比較すると約2.3倍に増加しています。
病院・クリニックでは、特に「子どもが継がない」「院長自身が高齢になった」というケースは依然として多くありますが、最近では単純な後継者問題だけではなく、
- 建物老朽化
- 医療機器更新や医療DX加速による負担
- 医師採用難
- 人口減少地域における外来患者数減少
など、将来的な投資負担も問題視されています。特に地方では、「この地域で今後どこまで医療需要が維持されるか」を気にされる院長先生も少なくありません。
出典:医療機関の倒産・休廃業解散動向調査(2025年)|帝国データバンク
【介護業界】で増えているM&A相談内容
介護業界では、以前は、「利用者不足」「稼働率低下」が中心でした。しかし最近は、「人が足りなくて運営が回らない」という人材課題での相談が圧倒的に増えていると感じます。
厚生労働省推計では、介護職員は2040年度に約57万人不足するとされており、業界全体で深刻な人材不足が叫ばれています。
特に多いのが、訪問介護、訪問看護、デイサービス、サ高住などです。介護事業は人員配置基準が厳格であるため、管理者や有資格者が急に退職した場合、すぐに採用できなければ、サービス提供そのものが難しくなるケースもあります。また最近は、人件費や物価高騰の影響も大きく、「稼働率は悪くない」「利用者もいる」にも関わらず、利益がほとんど残らないという経営課題を抱える事業者も増えています。
当社では「まずは自社の相場だけ知りたい」「まだ売却を決めていないけど情報収集している」という段階でもご相談は可能です。
出典:第 9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省
医療・介護M&Aとは?事業承継との違いも解説
医療・介護業界のM&Aとは、病院・クリニック・介護施設などの事業を、第三者へ引き継ぐ「事業承継」の一つです。
一般的な会社のM&Aでは、「M&A=会社を売る」といったネガティブな印象を持たれがちですが、医療・介護業界においてM&Aは「単なる売却」ではありません。「地域医療を未来につなぐ」「患者・利用者を守る」「職員の雇用を維持する」という側面が非常に大きく、“事業を残すための選択肢”として活用されています。実際に、「患者様や利用者様、職員の事を考えると閉鎖だけはどうしても避けたかった」という理由でM&Aを選択される経営者様ともお会いしてきました。
一般企業のM&Aとの違い
医療・介護業界のM&Aは、一般企業のM&Aとは大きく異なる特徴があります。
通常の企業M&Aでは、
- 売上
- 利益
- 成長性
などが中心になります。
一方、医療・介護業界では、それだけでは判断されません。
例えば、
- 地域での役割
- 患者・利用者数
- 人材体制
- 許認可
- 医療圏や介護需要
- 稼働率
- 加算取得状況
など、公共性や継続性が重視されます。そのため、数字上はそこまで高収益ではなくても、「この地域に必要な事業」として評価されるケースもあります。
医療・介護M&Aの主な手法
医療・介護M&Aには、いくつかの手法があります。
■事業譲渡
特定の事業だけを引き継ぐ方法です。例えば、デイサービス1拠点のみ、訪問介護事業のみなど、一部事業だけを切り離して承継するということが可能です。不採算事業の整理や、エリア再編を目的として活用されるケースが多く、必要な事業だけを柔軟に承継できる点が特徴です。
■出資持分譲渡
「持分あり医療法人」の社員が保有している出資持分を譲渡し、医療法人そのものを承継する方法です。主に医療法人で用いられる手法で、法人格を維持したまま経営権を引き継げるため、許認可などを維持しやすいというメリットがあります。また、病院やクリニックは行政対応や理事構成など特殊な制度が多いため、実務上は医療業界に精通した専門家のサポートが重要になります。
【関連コラム】持分あり医療法人の譲渡についてはこちらのコラムで詳しく解説しています。
医療法人の事業承継 出資持分の譲渡を検討する
■株式譲渡
介護事業会社など株式会社形態の法人で多く利用されるM&A手法です。会社のオーナーが保有する株式を買手側へ譲渡することで、会社そのものの経営権を引き継ぎます。特に介護業界では、複数施設をまとめて承継できることから、買手側はエリア拡大やグループ化を目的として活用されるケースが増えています。
■最近増えている「成長型M&A」
単なる「撤退」や「廃業回避」のためだけではなく、大手法人グループへ参画し、成長戦略の一環としてM&Aが活用されるケースもあります。
特に、大手医療法人や介護グループへ参画する“グループイン”では、経営基盤やネットワークを活用できるため、単独法人では実現が難しかったさまざまな取り組みが可能になります。
例えば、例えば、採用力強化やエリア展開、医療介護連携の強化、在宅分野への展開、DX推進、本部機能活用などにつながるケースも多く、近年は「守り」だけでなく、「成長」を目的としたM&Aも増えています。
また、売却後も理事長や院長、施設長として法人に残留することも場合によって可能です。経営や資金繰り、人材採用などの重い責任をグループ側と分担できることで、「経営者としての肩の荷が下り、現場に専念できるようになった」と感じる経営者様もいらっしゃいます。
そのため近年は、「M&A=ネガティブ」ではなく、「事業を継続・成長させるための経営戦略」として考える側面もあります。
病院・クリニック・介護事業のM&A売却相場
病院の売却相場
病院M&Aでは、
- 病床数
- 稼働率
- 医師体制
- エリア
- 建物所有状況
- 利益水準
など、多くの要素で評価が変わります。例えば、地方であっても地域に必要不可欠な医療機能を担う病院は、買手から高いニーズがあるケースがあります。一方で、地域需要と病床機能が合っていない場合や、建物・設備の老朽化による将来的な投資負担が大きい場合、さらに院長や特定医師個人への依存度が高い場合などは、たとえ利益が出ていても評価が伸びにくいことがあります。
<当社の病院M&A成約実績>
・業種 :病院
・M&A形態:その他
・エリア :中国地方
・譲渡価額 :1億2,400万円
・譲渡理由 :後継者不在
・売上/年 :約4億円
・業種 :総合病院
・M&A形態:事業譲渡
・エリア :関西
・譲渡価額 :5億5,000万円
・譲渡理由 :後継者不在・不採算整理
・売上/年 :約8億7,000万円
・業種 :病院
・M&A形態:持分なし(社員・理事交代)
・エリア :関東
・譲渡価額 :0円
・譲渡理由 :業界への不安、不採算整理等
・売上/年 :約11億2,600万円
クリニックの売却相場
クリニックでは、
- 診療科
- レセプト枚数
- 患者数
- 立地
- スタッフ体制
が特に重視されます。最近では「承継開業」を希望する若手医師も増えていますので、診療科目によりニーズが異なります。
・内科:高齢化に伴う安定需要があり、最もニーズが高い領域の一つです。
・整形外科:リハビリ需要との相性が良く、安定経営が期待しやすいことから人気があります。
・皮膚科:保険診療に加えて美容皮膚科も展開できるため、収益性の高さから注目されています。
<当社のクリニックM&A成約実績>
・業種 :クリニック/内科系
・M&A形態:持分譲渡
・エリア :関東
・譲渡価額 :3,400万円
・譲渡理由 :後継者不在
・売上/年 :約9,400万円
・業種 :クリニック/内科系
・M&A形態:持分譲渡
・エリア :関西
・譲渡価額 :5億3,000万円
・譲渡理由 :後継者不在
・売上/年 :約1億3,000万円
・業種 :クリニック/内科系
・M&A形態:持分譲渡
・エリア :北海道・東北
・譲渡価額 :4,000万円
・譲渡理由 :後継者不在
・売上/年 :約3億3,700万円
介護事業の売却相場
介護事業の売却相場は、業態によって大きく異なります。特に、安定した収益を見込みやすい、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなど、入居系施設への買収ニーズは一向に高い状況です。
また最近では、地域包括ケアシステムや医療・介護連携強化の流れを背景に、医療ニーズの高まりに対応する形で、ホスピス型施設への転換を前提とした買収ケースも増えています。
一方で、介護業界は「人」で成り立つ事業であるため、
- 管理者が定着しているか
- 現場が自走できているか
- 加算取得が適切に行われているか
といった運営体制も、買手側から非常に重視されるポイントになります。
<当社の介護事業M&A成約実績>
・業種 :介護付き有料老人ホーム
・M&A形態:株式譲渡
・エリア :関東
・譲渡価額 :2億2,900万円
・譲渡理由 :後継者不在
・売上/年 :約2億円
・業種 :住宅型有料老人ホーム、訪問介護、デイサービス
・M&A形態:株式譲渡
・エリア :関西
・譲渡価額 :4,000万円
・譲渡理由 :後継者不在
・売上/年 :約1億9,000万円
・業種 :訪問看護、訪問介護、デイサービス
・M&A形態:株式譲渡
・エリア :関西
・譲渡価額 :2億6,000万円
・譲渡理由 :事業再編、従業員の退職など
・売上/年 :約1億9,000万円
医療・介護M&Aで評価されるポイント
○人材が安定している
医療・介護M&Aにおいて、最も重視されるポイントの一つが「人材の安定性」です。実際に買手側がまず確認するのは、
- 離職率
- 管理者体制
- 現場の安定性
などの人員体制です。
特に介護業界は“人”で成り立つ事業であるため、現場が自走できているかどうかは、買手側が非常に重要視するポイントです。逆に、「社長が現場に入らないと運営が回らない」「一部の管理者に業務が集中しており、その人が退職すると運営に支障が出る」といった属人化の強い状態は、リスクとみなされます。
○稼働率が安定している
介護施設であれば入居率・利用率、病院・クリニックであれば患者数・レセプト数など、“稼働率の安定性”も重要な評価ポイントになります。
ただし、単純に現在の数字だけで決まるわけではなく、例えば「現在は稼働率が落ちているものの、エリア需要は高い」というケースでは、改善余地ありと判断し前向きに評価されることもあります。
○加算取得が整理されている
「本来取得できる加算を取り切れているか」も重要です。適切に加算取得ができており、収益改善につなげられている法人は、運営力が高いと評価されやすくなります。
一方で、未取得加算がある場合でも、必ずしもマイナスになるとは限りません。例えば、人員配置やオペレーションを見直せば加算の取得が可能な場合や、買手側のグループのノウハウで対応可能なケースであれば、伸びしろとして評価されることも考えられます
近年はコンプライアンスを重視する傾向が強まっています。不正請求や不適切な加算算定がある場合には、返還請求や行政指導、場合によっては指定取消といったリスクにつながる可能性があります。そのため、買手側はデューデリジェンスにおける確認項目の一つとして、請求体制や加算算定の適正性を慎重に確認する傾向が見られます。
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M&Aにおける企業価値はどのように決定するのか?
医療・介護業界のM&A事例
CBヘルスケアは、病院・クリニック・介護施設・障害福祉事業など、さまざまな業態における事業承継をご支援してきました。医療・介護・福祉業界に特化し、累計1,550件以上のM&A成約支援実績※がございます。
ここでは、実際のM&A事例についてご紹介いたします。
※2026年3月末時点
<クリニックのM&A事例>
糖尿病専門クリニックを運営されていた院長先生は、長年勤務していた看護師の退職をきっかけに、「クリニックの終わり方」について考えるようになりました。「閉院だけは一番よくない選択肢」という想いから、第三者承継を決意。早めに承継準備を進めたことで、無事に後継者が見つかり、糖尿病専門医の若手医師へ承継されました。
結果として、
- スタッフ雇用維持
- 患者継続
- 専門診療の継続
- 地域医療継続
につながりました。譲渡後は、「自分がいなくてもクリニックがしっかり運営されている安心感がある」と話されており、閉院ではなく“地域医療のバトンをつなぐ承継”となった事例です。
<介護事業のM&A事例>
居宅介護支援事業所を運営されていた経営者様は、ケアマネジャー事業からスタートし、その後、訪問看護事業まで展開するなど、順調に事業を拡大されていました。
一方で事業拡大に伴い、労務・法務対応、管理体制などに将来への不安を感じるようになり、「職員の雇用を守るためにも、より安定した経営基盤が必要」と考え、大手介護法人へのグループインをご決断されました。
譲渡先については、
- 自社の強みを活かせること
- 地域包括ケアへの考え方が一致していること
- 職員を大切にしてくれること
を重視し、お相手を選ばれました。そしてグループインを果たされたことで、労務・法務体制整備、地域からの信頼性向上などにつながりました。
グループイン後は、同法人において業務執行責任者としてご勤務されています。「肩の荷が下りて精神的に楽になった」「一人では難しかった部分を支援してもらえている」と感じられており、“職員と地域を守るための前向きなM&A”となった事例です。
医療・介護業界のM&Aで失敗しやすいケース
事業が赤字になってから相談する
これは医療・介護業界のM&Aで非常に多いケースです。
実際に、ご成約後の経営者様からも「もっと早く相談すれば良かった」という声をいただくことは少なくありません。医療・介護業界のM&Aでは、単純に現在の利益だけで評価されるわけではなく、人材体制や地域ニーズ、稼働率、組織体制、将来性なども含めて総合的に評価されます。そのため、経営に余力があり、選択肢を持てる段階で動くことが非常に重要です。
一方で、赤字が長期化すると、買手候補が大きく減少し、売主様の希望条件も通りづらくなります。さらに、職員不安や離職、利用者・患者離れなどにつながり、状況が一気に厳しくなるケースもあります。
例えば、クリニックでは診療時間の縮小や休診によって患者数が減少し、収益が悪化しやすい傾向があります。特に、一度休診してしまうと、M&A自体が難しくなるケースも少なくありません。また、介護事業では「人が辞め始めると立て直しが難しい」という特徴があります。職員の離職が続くことでサービス運営が不安定になり、事業価値の低下につながることもあります。そのため、経営者が限界を感じる前のタイミングで相談されるケースほど、良い形で承継しやすい傾向にあります。
最近では、「今すぐ売却したい」というよりも、将来的な承継準備や相場把握、後継者不在への備えとして、早めに相談される経営者様も増えています。
情報管理の重要性
M&Aでは、情報管理も非常に重要になります。特に医療・介護業界は、“人”への影響が大きい業界であるため、M&Aの情報が先に漏れてしまうと、職員離職や利用者・患者への不安、紹介元との関係悪化などにつながる可能性があります。
例えば、「施設が売却されるらしい」「院長が辞めるらしい」といった情報だけが先行してしまうと、現場が不安定になるケースも少なくありません。そのため、M&Aでは、「誰に」「どのタイミングで」「どこまで伝えるか」を慎重に整理しながら進める必要があります。
特に医療・介護M&Aでは、職員や利用者への影響を最小限に抑えながら進行できるかどうかが、承継後の安定運営にも大きく関わってきます。
医療・介護M&Aに関するよくある質問
お客様から、医療・介護事業の経営や事業承継について、日々さまざまなご相談をいただいています。ここでは、実際によくいただくご質問をご紹介します。
Q. 赤字でも売却できますか?
A.可能です。
医療・介護M&Aでは、単純な利益だけでなく、「地域で必要とされている事業か」も重視されるためです。
例えば、
・人材が定着している
・エリア需要が高い
・許認可や病床に価値がある
・利用者・患者基盤がある
・買手側が改善できる余地がある
といった場合は、赤字でも譲渡できるケースがあります。
特に介護業界では、「今は採用難で利益が落ちているが、需要自体は高い」という案件も多く、買手側がグループ力で改善できると判断すれば、前向きに検討されることも少なくありません。
ただし、赤字が長期間続いている場合や、資金繰りが厳しくなってからでは選択肢が狭くなるため、早めの相談が重要です。
Q. 小規模でもM&Aできますか?
A.可能です。
特に最近は、新規開設よりも「既存利用者や患者基盤を引き継ぎたい」と考える買手もいるため、小規模でも地域需要がある案件は十分ニーズがあります。また、若手医師による承継開業ニーズや、大手法人によるドミナント戦略の一環として、小規模案件が検討されるケースも増えています。
当社でも小規模案件の成約事例がございますので、まずはお気軽にご相談ください。
Q. 職員に知られず進めることはできますか?
A.秘密保持契約(NDA)を締結したうえで、限られた関係者のみで進めます。
前章の「医療・介護M&Aで失敗しやすいケース」にもあった通り、医療・介護業界のM&Aにおいて、情報管理は非常に重要です。
そのため、初期段階では匿名資料を使って打診を行い、法人名や詳細情報は、一定の検討意欲が確認できた相手にのみ開示するケースが一般的です。職員への説明も、基本的には最終契約が近づいた段階で行うことが多く、事前に告知タイミングや説明方法を整理しながら進めます。
Q. いつ相談するのがベストですか?
A.「まだ経営に余力がある時」が最も望ましいです。
「まだ売却するか決めていない」という段階でも、早めに相談することで、
- 現在の相場感
- 承継方法の選択肢
- 将来的なリスク
- 改善すべきポイント
などを整理できます。
実際には、
- 後継者がいない
- 採用が厳しくなってきた
- 将来に不安がある
- 体力的に負担を感じ始めた
といったタイミングで相談される経営者様が多いです。しかし「本当に厳しくなってから」ではなく、“まだ選べる状態”のうちに動くことで、より良い承継につながりやすくなります。
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2026年以降、医療・介護業界の再編はさらに進む可能性が高い
2026年以降、医療・介護業界では再編の流れがさらに加速すると考えられています。
背景には、
- 深刻な人材不足
- 地域医療構想の推進
- 診療報酬・介護報酬改定への対応
- DX化への投資負担
- 物価・人件費高騰
などがあります。
特に中小規模の事業者では、「単独でどこまで対応できるか」が大きな経営課題になっています。2026年度時点でも約25万人の介護職員不足が見込まれており、採用競争は今後さらに激化する可能性があります。
一方で最近は冒頭でお伝えした、“成長型M&A”も増えています。M&Aは単なる売却ではなく、職員雇用を守り、地域医療・介護を継続し、利用者サービスを維持するための選択肢でもあります。
だからこそ、「まだ早いかな」と感じる段階であっても、一度相場や承継方法、今後の選択肢を整理しておくことが重要になっています。
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小さい介護施設経営を成功させるための効率化と運営改善ポイント
さいごに
CBヘルスケア では、医療・介護・福祉業界に特化し、多数のM&A支援実績があります。病院・クリニック・介護施設・障害福祉など、業界特有の制度や地域事情を踏まえた支援を行っています。
「まずは相場だけ知りたい」「まだ売却は決めていない」「今後の選択肢を整理したい」
という段階でも、もちろんご相談可能です。事業承継やM&Aをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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