ホーム お客様の声 <医療・ご譲受>残りの医師人生を、自分の理想の形で

<医療・ご譲受>残りの医師人生を、自分の理想の形で

医療

渡邉健次様

エリア京都府
業種医療
譲受事業無床クリニック
ストラクチャー事業譲渡

長年、消化器外科医として豊富な経験を重ねてこられた渡邉健次先生。このたび京都市内の内科クリニックを譲り受け、新たにクリニックを開院されました。勤務医としてキャリアを重ねる中で抱いていた「自分のやりたい医療を、自分の理想の形で実現したい」という想い。その実現に向けて承継開業という選択をされた渡邉先生に、開業を決意した背景や承継案件探しでの苦労、開業後に感じていること、そして今後の展望についてお話を伺いました。

まずこれまでのご経歴について、お聞かせいただけますでしょうか

名古屋大学卒業後、京都府立医科大学の消化器外科に入局しました。その後は関連病院を中心に、6つほどの病院で勤務してきました。消化器外科医として経験を積みながら、後継者育成や手術支援ロボットの立ち上げなどにも携わってきました。

そして2026年4月1日に、クリニックを譲り受ける形で開業しました。

開業について意識されるようになったきっかけは、いつ頃だったのでしょうか。

開業を意識し始めたのは、50代が見えてきた10年ほど前ですね。若い頃は異動が多く、さまざまな病院を転々としてきました。手術症例の少ない病院に勤務することもあり、当時自分が思い描いていた働き方とのギャップを感じる場面がありました。

勤務医としてさまざまな病院を経験する中で、「このまま勤務医を続けていくのだろうか」「自分のやりたい医療を、自分の理想の形でやりたい」と、残りの医師人生を考えたときに意識するようになりました。

それ以降、専門的な研鑽をより意識し、胃がん手術のトレーニングを本格的に行い、さらに手術支援ロボットの立ち上げにも携わりました。なかなか開業へ踏み切れない時期が続きましたが、後任の育成も含め一区切りついたタイミングで、「今が開業する時期かもしれない」と思ったんです。

開業をご検討される中で、どのような不安や迷いを感じていらっしゃいましたか。

一番大きかったのは、やはり資金面ですね。どれくらい融資を受ける必要があるのか、本当に経営が成り立つのかという不安はずっとありました。勤務医であれば安定していますし、経営のことを深く考えなくても仕事に集中できます。実際、「勤務医のままでもいいのでは」と思ったこともあります。

ただ、それでも「残りの人生、自分のやりたいことをやりたい」という気持ちのほうが強かったですね。年齢的にも、このタイミングを逃したらもう挑戦できないかもしれないと思い、決断しました。正直に言うと、開業した今でも「これでよかったのかな」という不安はありますし、まだまだ試行錯誤の毎日です。

新規開業ではなく、承継開業を選ばれた理由を教えてください。

開業について本格的に準備を始めたのは2024年頃です。保険医協会の開業セミナーで現在の顧問税理士と知り合ったことが大きなきっかけでした。

その後、顧問税理士に開業形態について相談する中で、年齢的なことも踏まえると、新規開業よりも承継開業のほうが現実的ではないかという話になりました。私自身も、開業後に軌道に乗せるまでの時間や投資負担を考えると、承継開業のほうが自分に合っているのではないかと感じ、承継開業を中心に検討するようになりました。

譲受先はどのくらいの期間でお探しになり、何件ほどご検討されましたでしょうか。

2026年春頃の開業を目標にしていたため、2025年に入ってから本格的に承継案件を探し始めました。自らインターネットで仲介会社を探し、実際には5社ほどに問い合わせを行い、複数の候補先を検討しました。しかし、事業性や収支面について税理士と慎重に検討した結果、見送った案件も少なくありませんでした。

そのため、承継開業だけに絞るのではなく、新規開業の物件探しも並行して進めていました。実際に出店申し込み直前まで進んだ案件もありましたが、その医療テナントに競合となる内科クリニックが同時期に開業することが後から分かり、最終的には見送ることにしました。振り返ると、承継開業も新規開業も決して簡単に進むものではなく、一つひとつの案件を慎重に見極めながら進めていく必要があると実感しています。

当社にご相談いただいたきっかけをお聞かせいただけますでしょうか。

インターネットで仲介会社を探していた際に、複数社問い合わせをしたうちの一社がCBヘルスケア(当時:CBパートナーズ)でした。他社からも案件をご紹介いただいていましたが、なかなか「ここだ」と思えるものがなくて。そんな中で今回のお話をご紹介いただきました。

譲受の検討を進められる中で、決め手となったポイントは何でしたでしょうか。

担当者の方に今回のお話をいただいた後、事業性や収支面について税理士と慎重に検討しました。その結果、事業計画もスムーズにまとまり、前向きに進められそうだと感じていました。さらに、譲渡側の先生とお会いしてみると、なんと同じ高校の大先輩だったんです。ご縁を感じましたし、意気投合したこともあって、そこから一気に話が進みましたね。

決め手となったのは、患者数が多かったことと、人口が多く地域の需要が見込めるエリアだったことです。それに加えて、自宅から近かったことも大きな理由でした。実際に開業してみると、診療以外の業務が本当に多いんです。電子カルテの確認、資料作成、給与計算、業者対応、税理士との打ち合わせなど、挙げればきりがないほどです。だからこそ、通勤負担が少ない立地で本当に良かったと感じています。

当社コンサルタントの対応や印象はいかがでしたでしょうか。

最初の印象は、「とても人当たりが良く、相談しやすい方」でした。資料も丁寧で、写真や情報がしっかり整理されていて、「信頼できそうだな」と感じたのを覚えています。承継開業は、売手側も買手側も初めて経験することが多いので、「本当に信頼できる人が間に入ってくれるか」はすごく重要だと思います。その点で、今回の担当の方に出会えたのは本当に良かったですね。

実際に承継開業をされて、今どのようなことを感じていらっしゃいますか。

開業する前は、「承継前から通われていた患者様が、ある程度そのまま通院を続けてくださるのではないか」と考えていました。もちろん患者数が減少することは予想していましたが、前の先生を頼って来院されていた患者様は一定数いらっしゃいますし、長年通院されていた方でも、距離や生活スタイルの変化によって通院が難しくなるケースがありますよね。

実際に開業してみると、承継開業だからといって患者様が自然に残るわけではなく、新規開業と同じように、地域の方々に信頼していただき、新たな患者様に来ていただくための努力が必要なのだと実感しています。

開業後、想像と違った部分はありましたか

診療だけして終わりではなく、採用、人事、労務、設備管理など、全部自分で対応しなければいけないということですね。もちろん覚悟はしていましたが、実際に当事者になると想像以上でした。今は診療報酬改定の対応もあって、常に何かを考えている状態です。家に帰っても調べものをしたり、経営のことを考えたりしていて、完全に気が休まる時間はまだ少ないですね。

新規患者様の集患に向けて、現在取り組まれていることはありますか。

新聞広告も出しましたし、近隣の病院へご挨拶にも伺いました。「かかりつけ医を探している患者さんがいればぜひご紹介ください」とお伝えしています。

ただ、それだけで十分とは感じていません。最近は特に、医療機関を探す際にインターネットを活用する機会が増えていると感じています。そのため、今後はWeb広告をはじめとした情報発信にも力を入れていきたいと考えています。とくに消化器内科や肛門外科の領域で、「専門的な診療を受けられるクリニック」として地域に認知していただけるようにしていきたいですね。

承継後に変えられた設備や取り組みについて教えてください。

まず、床や壁紙など一部内装をリニューアルしました。全面改装となると長期間の休診が必要になるため、ゴールデンウィーク期間を利用して工事を行いました。

設備面では、レントゲンをフィルムからデジタルへ変更し、AI診断支援ソフトも導入しました。また、診察ベッドも新しいものに変えました。さらに、内視鏡検査・手術ができる部屋を新設したので、より一層診療に力を入れていきたいと考えています。設備は変わりましたが、従業員の方は継続して勤務してくれているので、患者様にも安心して受診していただけているように感じています。

職員の皆様のご体制については、どのように引き継がれましたでしょうか。

従業員の方々は、基本的にそのままの条件で引き継がせていただきました。ただ、以前は雇用契約書が整備されていなかったため、給与体系や雇用条件を一から整理し直す必要がありました。改めて契約書を作成する作業はかなり大変でしたが、顧問税理士にサポートいただけたのは本当に助かりました。

また、従業員の方々との関係性については、スムーズに築くことができたと思っています。少なくとも安心して働いていただける環境づくりは常に意識しています。

今後の目標や展望についてお聞かせください。

まずは、地域の皆さんに信頼されるクリニックになりたいです。その上で、患者様にも多く来ていただき、経営基盤もしっかりしたクリニックに育てていきたいですね。医療の質と経営、どちらも大切にしながら、長く地域に必要とされる存在を目指したいと思っています。

さいごに、これから承継開業を検討される先生方へメッセージをお願いいたします。

承継開業は、本当に“ご縁”だと思います。焦って決めてしまうと、後から「思っていたのと違った」と感じることもあるかもしれません。信頼できる専門家に相談しながら、しっかり調査して進めることが大切だと思います。

その上で、私が特に重要だと感じたのが、譲渡前の引き継ぎ期間です。私の場合は、譲渡前に約2か月かけて引き継ぎを行いました。その期間があったことで、患者様にも安心していただけましたし、自分自身もスムーズにスタートが切れました。

もちろん色々なケースがあるとは思いますが、1か月程度では十分な引き継ぎが難しい場合もあるのではないでしょうか。承継開業を成功させるためには、譲渡後のことだけでなく、譲渡前にどれだけ丁寧に引き継ぎを行えるかも非常に重要だと感じています。ぜひ慎重に準備を進めながら、ご自身に合った譲受先を見つけていただければと思います。

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