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クリニック閉院以外の選択肢 第三者承継で引退を考える

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# 売手様向け# クリニック# 医師# 廃業

はじめに

近年、閉院するクリニックが増加しています。閉院の要因として院長の高齢化、後継者不在、経営難など様々な事情がありますが、もし閉院するとなると多額のコストがかかり、患者様の引き継ぎ、スタッフの解雇などといった課題も出てくるため、容易にできることではありません。

「引退したいけれど、後継者がいない」このような理由で、閉院(廃業)を迷われている方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、閉院を考える前の選択肢の一つとして、「第三者への承継」について解説していきます。

 

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●このコラムのポイント

  • クリニックの閉院は増加しているが、その多くは後継者不在や経営環境の変化によるものであり、必ずしも避けられない選択ではない
  • 閉院は患者・スタッフ・地域医療に大きな影響とコストを伴う一方、第三者承継であれば医療提供と雇用を維持しながら円滑な引退が可能である
  • 第三者承継を成功させるためには、経営状態が安定している段階から早期に検討・準備を始めることが重要である

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クリニックの閉院が増えている背景

2023年度には医療機関の休廃業・解散件数が1年で709件で過去最多になり、この結果は10年前と比較すると約2.3倍に増えています。特にクリニックの件数は著しく、前年より159件増え、580件となりました。こちらも背景としては後継者不在問題があげられます。そのほかにもさまざまな理由で閉院を余儀なくされるケースが増えてきています。

経済的な問題

診療報酬の低下や患者数の減少により、収益が減少し、経営が困難になる場合があります。設備、人件費、水道高熱費等の高騰が経営に負担をかけることもあります。

高齢化・後継者の不在

開業医の先生が高齢になっても、後継者がいない場合や、子供が医院を継ぐ意欲がない場合、閉院を選択せざるを得なくなることがあります。

日本医師会の「医業承継実態調査」では「現時点で後継者はいない」「後継者はいるが意思確認していない」をあわせると後継者不在率が75.9%となっており、全業種の後継者不在率53.9%を大きく上回る数字となっています。

また厚生労働省の調査によると病院の開設者または法人の代表者の平均年齢が64.9歳、クリニックでは平均年齢が62.5歳となっており、全国の社長平均年齢である60.5歳と比べても医療業界では高齢化が進んでいることが分かります。

健康問題

自身の健康が悪化し、診療を続けられなくなることも閉院の大きな理由のひとつです。

医療の需要の変化

地域の人口構造の変化や患者のニーズの変化により、特定の医療サービスの需要が減少することがあります。

個人的な理由

家族の事情やライフスタイルの変化、引退の決断など、個人的な要因で閉院を決めることもあります。

出典
医療機関の「休廃業・解散」 動向調査(2025年度)|帝国データバンク
日本医師会|日本医師会 医業承継実態調査|帝国データバンク

閉院と廃院の違い

閉院の意味とは

閉院とは、医療機関が業務を一時的または永続的に停止することを指します。たとえば、開業医が診療をやめることを「閉院」と言いますが、この場合、医療機関自体は存在しているものの、運営が停止されている状態を指します。そのため、後継者が見つかれば再び開業する可能性もあります。

廃院の意味とは

廃院とは、医療機関が完全に解体され、法的に存在しなくなる状態を指します。建物が取り壊されたり、医療機関としての登録が抹消されたりする場合に「廃院」と呼ばれます。再び同じ場所で医療機関を開くことはできない場合が多いです。

要するに、「閉院」は一時的な停止も含めた状態であり、「廃院」は完全な終了を意味します。

閉院(廃院)のメリット・デメリット

閉院(廃院)は経営者にとって、多少のメリットはありますが、圧倒的にデメリットの方が多いと思われます。なによりスタッフや通院中の患者様、取引先に多大な影響を与え、地域医療の存続・雇用に大きくかかわってきます。

○閉院のメリット

  • 経営から退くタイミングを自分の意思で決められる
  • 経営責任と負担の解消
  • 複雑な引き継ぎプロセスの回避

当然ながら事業の後継者・承継先を探す必要がなく、そのための苦労・手間・コストが不要になります。
また、引退のタイミングは自身で自由に決めることができます。

×閉院のデメリット

  • 医療サービスの喪失により、患者様の引継ぎが必要
  • スタッフの雇用喪失
  • 高額なコストがかかる

クリニックが閉院すると、地域社会において医療サービスが失われるため、患者様に別の医療機関を紹介する必要があります。特に、医療機関が少ない地域では、住民にとって大きな不便をもたらします。長年にわたって通院していた患者様にとって、信頼できる医師を失うことは大きな不安やストレスになるでしょう。

閉院と同時にスタッフは職を失うことになります。これにより、スタッフの生活に大きな影響が出る可能性があるため、閉院する場合は早めにスタッフへの告知が必要です。

また閉院にはかなりのコストがかかります。建物の現状回復または取り壊しの費用や、借入金がある場合はその清算、医療機器や院内設備、カルテなど書類の処分費用もかかります。

第三者承継のメリット・デメリット

親族、院内の医師に後継者となってくれる人材がいない場合、第三者へクリニックを譲渡する方法として「第三者承継」という選択肢があります。第三者承継のメリットは以下のことがあげられます。

○第三者承継のメリット

地域医療を守ることができる

第三者に承継することで、患者様はこれまで通っていた環境で引き続き診療を受けることができ、医師やスタッフとの信頼関係や安心感を保つことができます。
またクリニックの運営が継続されることで、地域社会への医療サービスの提供を途切れることなく、続けられます。特に、医療機関が少ない地域では、クリニックの存在は重要です。

従業員の雇用を維持することができる

クリニックのスタッフや医療従事者がそのまま働き続けることができるため、雇用が保たれます。

譲渡金額を得られる

第三者に承継する場合、経営者は承継先から譲渡による利益を得ることが可能です。

解体費が発生しない

カルテなどの書類を処分するコストや、建物を取り壊す場合は、解体費や原状回復費用などが発生します。

×第三者承継のデメリット

事前の準備が必要

承継には法的手続き、財務面の整理、スタッフとの交渉など、複雑なプロセスが伴い、これらの手続きには時間と費用がかかるため、経営者にとって負担となることがあります。

またクリニックの価値観や経営方針を理解した、適切な後継者を見つけることが難しい場合もあるでしょう。

引き継ぎの過程でトラブルが起こる可能性も

新しい経営者が就任すると、患者様やスタッフに不安が生じることがあり、特に、新しい経営者の治療方針や経営スタイルに不満がある場合、患者離れやスタッフの退職につながる可能性があります。

また承継時にしっかりとした契約や合意がなされなかったり、譲渡価額や承継後の責任範囲などが不明確な場合は、のちに法的な問題に発展するケースもあるため、慎重に進める必要があります。

第三者承継における手続きと流れ

弊社がご支援する第三者承継は、以下の流れに沿って行われます。さいごに

ここまで閉院と第三者承継を比較して解説しました。

望む、望まないに関わらず、いつかは引退と向き合わなければいけない時が訪れます。クリニックの譲渡には、先生が主体的に譲渡を選択されるケースと、体調不良など必要に迫られて譲渡を選択されるケースがあります。

そのため、「経営状態の良い時に、検討を始める」早めの準備こそが第三者承継の成功の鍵と言えるでしょう。

またクリニックにとって最適な買主と巡り合い、最適な条件で医院継承を実現するためにも、第三者承継を考える場合は、専門家へ相談するのがいいでしょう。

当社では医療業界の承継問題解決に特化しており、幅広いネットワークとノウハウで運営希望者様、現運営者様の思いに寄り添ったサポートを行います。経験豊富なアドバイザーがそろっておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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コラム監修者

小村 幸男
小村 幸男
株式会社CBヘルスケア 西日本事業部 副部長

体育大学卒業後、人材教育会社に入職。人の人生に係わる仕事に興味を持ち、キャリアブレイン(現CBヘルスケア)に転職し、医療法人へのコンサルティング業務や、医師のキャリアアドバイザーとして勤務。その後M&Aに携わり、西日本の介護福祉事業部、医療事業部を立ち上げを主導。現在に至るまで、薬局・医療・介護領域における幅広いM&A案件を手がけている。

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