
プライベートで、奈良県大淀町へ地域包括ケアのためのスタディツアーに行きました。現地のスーパー経営者、社会福祉法人の方とディスカッションしたので、その経験をもとにコラムを書きます。
奈良県大淀町へスタディツアー
先日、プライベートで、奈良県大淀町へスタディツアーへ行ってきました。私が所属している大阪中小企業診断協会の研究会活動で、地域包括ケアの理解を深めるために、連携活動に取り組む企業や介護事業者へ訪問し、ディスカッションするという内容です。訪問した奈良県大淀町は、吉野地域の玄関口となる自治体で、人口は1万6千人ほど。少子高齢化が急速に進む地域です。この地域でお買い物難民の問題に取り組む小売業(スーパー)を経営する方とお話しさせていただきました。次のコメントが印象的でした。
「誰もが無理だと言うが、実際に地域住民と接するとなんとかしようと思うのです」
過疎地の移動販売は採算が合いません。利用する人は年々減少していく、そして不便さはさらに増していく。ちなみに、近隣の市町村では、行政が支援して移動販売をしています。それでも採算は合いません。事業として成り立たせることは、みんなに無理と言われてきた、とのことです。
対策は2つの方向性
過疎地のお買い物難民をどうするか、この問題をテーマに、3つの班に分かれて対策案をディスカッションしました。ちなみに参加者は全員が中小企業診断士です。でも、当然、それぞれで対策案は異なります。対策案は大きく分類すると1.社長の想いに応えるため、新たな視点の対策を検討する2.無理なことを認めて、できる範囲の事業展開を推進するこの2つ。私は気持ち的には「1」を推進したい。ただ、「1」には大きな投資や今無いものが必要となる、それが現実的かを考えると、早めに「2」に取り組むことも重要という考えにもなります。「今すぐ火星に行く事業を推進しよう」というのは、無謀ですが、「お買い物難民を救う事業を推進しよう」というのは、視点を変えれば対策が見つけられそうです。でも、無謀なのか、可能性が見つけられるのか、の境目が難しい。
ポイントは、原理原則 です。
このポイントは、
原理原則です。自然の摂理から外れていないか・・・原理普遍的な法則から外れていないか・・・原則この2つの視点で、判断していくと間違いはありません。ちなみに、我々CBリサーチが戦略支援のご提案をさせていただくと、「そんなの無理でしょ!」と言われることがあります。例えば、介護事業への進出。まったく経験の無い法人で、新規事業として介護事業へ進出する、しかも他よりも少ない介護スタッフで運営し、収益性が高い事業を立ち上げる。こんな話をすると、「介護人材が集まるわけがない」「未経験でうまくいくはずがない」などなど。無謀という判断をされることがあります。でも、原理原則をベースに考え、理にかなっていると理解できると、事業として成り立つことが理解でき、しかも他の人は思いつかない競争優位のある事業であることも理解できます。
一旦「できる」前提で考え、原理原則で「理」に適っているか判断し、「本当に推進できる戦略」を立案する
確実に成功する事業戦略はありません。最終的には成功した事業が成功なのだと思います。それで、事前に成功するかどうかの確率を上げるためには、以下が重要かと思います。1.一旦できる前提で考える2.原理原則で「理」に適っているか判断する3.そのうえで「本当に推進できる戦略」を立案する以上、無謀と思えるものへの、考え方の参考になればと思います。
最後に
ちなみに、大淀町では、お昼には特産品を堪能し、夜には割烹で地酒とおいしい食事を堪能させていただきました。その場には、スーパーの社長も来られ、楽しい時間を過ごさせていただきました。難しい議論よりも、お酒の席での話のほうが実はいい案が出たりするものです。スタディツアーを企画している側からすると、元も子もない話ですが。