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【有料老人ホーム】鉄骨造と木造どっちがいいの?

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介護
# 高齢者住宅

皆さんのお住まいは鉄骨造でしょうか?それとも木造でしょうか?普段の生活では建物の構造なんて考える機会はあまりないかもしれません。しかし賃貸を借りる時やマイホームを購入する時、皆さんも一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

今回は「もし住宅型有料老人ホームを建てるなら、どちらの構造の方が良いのか」読者の皆様には老人ホームのオーナーになることをご想像いただきながら、お読みいただければ幸いです。それでは様々な観点から、それぞれどんな良さがあるのかご紹介いたします。

ビジネスの視点から考える違い – 収支計画

収支計画に関わる項目のうち、「建物価格」「法定耐用年数」「融資」の3項目についてお話しします。

建物価格について

結論としては鉄骨造の方が高くなる傾向にあります。国税庁の調査によれば1㎡あたりの平均額は木造で20.7万円、鉄骨なら30.4万円かかるというデータがあります。坪単価に直すと木造は68.3万円/坪、鉄骨造は100.3万円/坪になります。鉄骨造で建築する場合はなるべくコストを抑えられる建築業者を見つけることが重要かもしれません。参考:国税庁「地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)【令和6年分用】

法定耐用年数について

木造の法定耐用年数は22年ですが、鉄骨造は鉄の厚みによって年数が違います。厚み3~4mmのものは27年、4mm以上のものは34年です。耐用年数が長いと減価償却の期間も長くなるため、課税所得を減らせる期間を長く取れます。木造と鉄骨造どちらが良いとは言えませんが、法人の売上によって上手に活用したいですね。

融資について

法定耐用年数が長くなれば融資を組める期間も長くなります。同じ金額を借入れる場合は返済期間が、長い方が月々の返済額が下がりますので月単位の収支計画はよくなる傾向にあります。利益をしっかり確保できる事業計画ならば月々の返済額を抑え、投資回収期間を短くすることも可能です。また抵当権を設定して融資を受ける場合、鉄骨造の方が木造より評価額が高いので、その分の金額が審査に良い影響を与える場合もあります。鉄骨造の方が投資額は上がる分、メリットがあるということが言えるでしょう。

ビジネスの視点から考える違い – 土地

住宅型有料老人ホームは3階建て以上の建物を建築する場合、耐火構造で建てなければなりません。したがって3階建て以上は鉄骨造で建築することが多いかと思います。鉄骨造でしっかり利益を残すためには一定の部屋数を確保する必要がありますが、木造で建築する場合はその分広い土地に投資しなければなりません。弊社がご支援する計画では、鉄骨造で計画したときと同じ部屋数を確保しながら木造で計画しなおした場合、2倍以上の土地の面積が必要になったケースもあります。木造で建築する場合、300坪以上の広さが必要になることも珍しくなく、まとまった土地が売りに出るようなエリアに限定されてしまう場合が多くあります。木造の方がコストは抑えられますが、在宅調剤や訪問診療に力を入れる調剤薬局やクリニックにとって立地は最重要項目です。ご縁があった土地に合わせた建築が重要だと私は考えます。

入居者の視点から考える – 断熱性

断熱性能が高い住宅は言い換えると「夏は涼しく、冬は暖かい家」ということです。結論から言うと断熱性能は木造の方が高いといえます。木の熱伝導率は鉄の約500分の1と言われており、それだけ外気温の影響を受けにくい構造になっています。サウナの中のベンチは木で作られていますが、もし鉄だったら誰も座れないですもんね。木の家は人に優しいイメージがありますが、実際にその通りだと私は思っています。また断熱性能と同じくらい家の快適性に関わっているのが「気密性」です。この気密性に関しても木造の方が高いといえます。気密性が高い住宅は空調の効きが良くなるため、暖房で温めた空気が外に漏れにくく、省エネ効果もあるので、快適な暮らしに繋がります。鉄は熱伝導率が高いので、温度によって微妙に変形を起こします。また構造体の接合部分にも隙間ができやすいため、気密性は鉄骨造より木造の方が高いといえます。

入居者の視点から考える – 耐震性と遮音性

耐震性に関しては鉄骨造の方が木造よりも強い傾向にあります。これは鉄骨造の方が1本の柱で支えられる範囲が広く、木造よりも少ない柱や壁の数で建物が建てられるからです。しかし「木造が弱い」というわけではありません。構造計算を行い、適切な柱や梁の数と配置によって建築した木造建築は十分耐震性に優れた建物だといえます。鉄骨の方が木造に比べて自由度が高いので、あまり柱を使わずより大きな空間を取ろうとした場合は鉄骨造の方が優れているといえます。また鉄の方が木材よりも密度が高く、振動を伝えにくい性質を持っています。大きな差があるとは言えませんが、遮音性も鉄骨造の方が木造よりも優れている傾向があるといえます。しかし有料老人ホームの場合は遮音性が低い方が良いこともあります。自室にいる入居者の健康状態に異変が起こり、ベッドやトイレから床に倒れてしまった時、異変を周りに伝えやすいのは遮音性が低い住宅です。ナースコールは高いところにあって押せない状態になったとき、入居者は床を叩いて異変を知らせることができます。

まとめ

結論を申し上げますと「鉄骨造だから良い」「木造だから良い」ということはなく、それぞれのメリットとデメリットがあります。事業を始めたい場所や法人によってより良い計画があり、その計画に合った建物があると私は考えています。CBリサーチは住宅型有料老人ホームの運営を目指す経営者様のお役に立てるよう、引き続き精進してまいります。

この記事を書いたコンサルタント

私たちCBリサーチは、医療・介護・福祉業界に特化した「戦略コンサルタント」として「地域包括ケアシステム」に沿った戦略構築と実行支援を行い、お客様の未来を共創する会社です。様々な新規事業展開をワンストップで共創します。
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