
2024年、日本の介護業界は厳しい状況に直面しています。物価高と人材不足が深刻化する中、2023年には介護事業者の休廃業が過去最悪を記録しました。(倒産件数も過去2番目の高さ)この厳しい現実を乗り越えるため、国は経営の大規模化・効率化を進めるよう働きかけています。以下では、国が推進している大規模化・効率化の内容について確認したいと思います。
参考:株式会社東京商工リサーチ『介護事業者の倒産は過去2番目、休廃業・解散は過去最多の510件 人手不足、物価高騰で「訪問介護」の倒産は最多更新』
物価高と人材不足の影響
まず、物価高は介護事業者の経営に大きな負担をもたらしています。施設や事業所で提供する食材費、現場で使う医療用品の価格高騰、光熱費の高騰により運営コストが上昇、収益は圧迫されています。また人材不足は介護業界にとって恒常的な問題となっており、高齢化社会が進む中でその影響は一層深刻化しています。介護職員の確保が難しくなると、サービスの質が低下し、利用者の満足度も下がる可能性が高くなります。大規模化と効率化の必要性
このような状況を踏まえ、介護事業者が生き残るためには、大規模化および効率化が不可欠です。大規模化
介護業界における大規模化とは以下のことを指します。- 介護サービスの規模の拡大
- 法人内の介護施設・事業所の増設
- 複数の法人の合併・事業譲渡
| コスト削減 | ある程度規模が大きくなると、おむつ等の物品やサービスの購入において、固定費の割合が相対的に減少したり、購入先との価格交渉力が増すことなどによりスケールメリットが実現でき、費用の削減を実現しやすくなります。 |
|---|---|
| 人材確保 | 大規模な組織は人材育成プログラムを充実させることで、職員に合ったスキルアップが図れ、資格や経験の育成や教育体制に魅力を感じた方からの応募が増えます。 |
| サービスの多様化 | 多様なサービス(デイサービスや訪問介護、訪問看護など)を提供することで、利用者のニーズには幅広く対応できます。複数の介護施設を運営し、地域ごとの特性に応じたサービスを展開する方法もあります。 |
効率化
効率化には、業務プロセスの見直しやIT技術の導入が含まれます。効率化の具体例としては以下が挙げられます。| 業務プロセスの標準化 | 誰がやっても同じやり方になるよう介護業務の標準化により、作業の無駄を削減し、職員の負担を軽減します。 |
|---|---|
| IT技術の活用 | 電子カルテシステムや介護ロボットの導入により、業務の効率化を図ります。 |




