
2024年の介護報酬改定について、訪問介護は今回まさかのマイナス改定となりました。訪問介護の基本報酬に関して、今回2~3%の引き下げとなっています。ヘルパーの求人倍率は15倍ともいわれ、事業者からは「ホームヘルパーが足りない」という声が上がり、運営に苦戦している方も多く聞きます。東京商工リサーチによると、2023年の「老人福祉・介護事業」の倒産は122件で過去2番目の記録、この内「訪問介護事業者」の倒産は過去最多58件を9件上回る67件に達したと言われています。
収支差率とは利益率
介護の改定率に関しては、この収支差率が影響する要素と言われています。この収支差率とは一体どんなものなのでしょうか。収支差率=(介護サービスの収入額-介護サービスの支出額)/介護サービスの収入額
つまり、一般的に言われる損益計算書上の利益率(営業、経常、税引前後)とほぼ同意となります。訪問介護については、令和5年度の実態調査(令和4年度決算)の結果として、この収支差率が7.8%(税引前・補助金含まず)、8.1%(税引前・補助金含む)、7.7%(税引後・補助金含む)、となり、前年比約+2.0%となっています。本調査は2023年5月、33,177事業所すべてを対象に実施されました。調査回答数は16,008件で、48.3%程度となっています。厚生労働省:令和5年介護事業経営実態調査結果の概要他の介護サービスと比べると、訪問系のサービスの中にはこれを上回るところもありましたが、施設・入所・通所系は収支差率がマイナス~3%くらいのところも多くありました。従って、介護業界の中では比較的利益率の高い訪問介護でしたが、その他の業界と比べても一般的に悪くはないですが、かといって決してとても高い利益率と言えるサービスでないことはよくわかります。そもそも回答率は半分以下です。しかも、赤字経営も多いと言われる居宅の訪問を中心にサービスを行う事業所と、高齢者住宅併設の訪問介護を区別したものではありません。従って、回答者の経営実態に偏りがあるのも想像できます。これが業界の実態を示している、と言い切るには少し乱暴な気もします。だから報酬をマイナスにされちゃうなんて、と多くの事業主が思ったところだと思います。



