
今回のテーマは、事業再構築補助金の第一回公募結果についてです。
関連記事:中小企業の事業再構築に1兆1485億円(第3次補正予算案閣議決定)
※補助金の概要については、以前のコラムでもご覧いただけます。
当社は補助金コンサル自体を生業としていませんが、ご提案事業で申請を行っているクライアント企業がいらっしゃったり、別の事業展開で申請を検討している顧客も多いため、本テーマを取り上げました。網羅的な解説は、中小企業庁の特設サイトや他の解説ブログなどでご確認ください。
本稿では、下記の3点についてお伝え致します。
採択結果とその傾向について

ポイント1.申請時の不備が約3,000件
書類不備により申請要件を満たさなかった申請が約3,000件もありました。同じく、特設サイト内で以下の事例が挙げられているので、おそらく、このような不備が多かったのではないかと考えられます。■事例- 売上高減少要件に必要な月別売上高が証明する書類が添付されていない。売上高減少として選択された年月とは異なる年月の書類が添付されている。
- 「認定経営革新等支援機関による確認書」 に記載された法人名等が申請者と異なる。認定経営革新等支援機関ではなく、申請者名で確認書が作成されている。
- 経済産業省ミラサポplusからの「事業財務情報」が添付されていない。
- 添付された書類にパスワードがかかっている、ファイルが破損している。
ポイント2.全枠合計の採択率は41.7%
| 申請が受理された件数 | 19,239件 |
| 採択された件数 | 8,016件 |
ポイント3.幅広い業種で応募・採択されている

ポイント4.特徴が現れている応募金額の分布

ポイント5.認定支援機関別の採択率

- 公益財団法人・・・約62%
- 中小企業診断士・・・約48%
- 民間コンサルティング会社・・・約47%
- 税理士・・・約30%
- 税理士法人・・・約33%
- 公認会計士・・・約34%
医療・介護・福祉分野での公募事例について
ポイント1.キーワード検索「薬局」でのヒットは13件
特設サイトでは、事業計画概要の概要を閲覧することができます。参考:補助金交付候補者の採択結果(事業再構築補助金)
- ウイルス感染防止対策を徹底した利便性の高い未来型薬局の新設
- 新規事業【かかりつけ薬局・地域医療に特化した調剤薬局】の開業
- 地域密着の調剤薬局による健康づくりの格闘技ジムへの新分野展開
- 耳鼻咽喉科・小児科の門前薬局から、高齢者在宅医療・地域連携薬局への新展開
- コロナ禍の健康不安に対応し、地域の健康増進に貢献する薬局づくり
- 自宅療養患者さまに訪問・オンライン服薬指導を行う調剤薬局の新設
- ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた在宅訪問特化型の薬局事業
- 新店舗建設・機器導入による新規事業(カウンセリング等)立上げ
- 医療機関と連携した地域一番の『かかりつけ薬局』をつくる
- 在宅に特化した地域密着かかりつけ調剤薬局事業への取組
ポイント2.キーワード検索「在宅」でのヒットは25件
「在宅」というキーワードで検索を行うと、25件の事業計画がヒットします。25件のうち、詳細まで読み込むと医療・介護・福祉に関係すると思われるものは半数ほど。- 地域の在宅介護を支える拠点となる。コロナ禍でも継続可能な看多機運営事業
- 要介護個人居宅・高齢者入居者施設への在宅訪問事業への参画
- 終末期のケアを主とした訪問看護サービスへの参入による地域を支えるコミュニティの創設
- 介護・がん緩和ケア付きシェアハウス設立事業
- 在宅高齢者向けの配食事業
- 個人向け在宅介護に特化した体験型施設の運営と新規顧客層の開拓

ポイント3.「医療」「介護」「高齢者」はヒット多数
「医療」「介護」「高齢者」などのキーワードでは、ヒットがあまりにも多くなるため本稿では、ご紹介しきれない件数となります。いわゆるビッグワードですね。そのため、いま私どものご提案領域である「地域包括ケアシステム」に関連しそうな事業計画をピックアップを行うと、以下の事業が見つかりました。- 訪問介護と連動した自由と安心を両立した高齢者向けマンション賃貸業
- グループホーム事業参入による、地域の包括的な健康支援体制の構築
- 訪問通所介護が困難となった要介護者に対する老人ホームの提供
- 要介護度の高い高齢者をターゲットとしたサービス付き高齢者向け住宅事業への進出
- 高齢者のコミュニティーを担うリハビリ型高齢者入居施設の開設・運営
- 有料老人ホーム・介護事業
- 看護サービス付介護施設(ナーシングホーム)開業計画
- 自社事業の有機的連携による高医療依存者向け看護事業の開始
その他のトピックス
前述の解説動画において、印象的だった解説についても触れます。こちらは、一度検討された方であれば理解頂けるかと思いますので、端的にまとめさせていただきます。●「売上高10%要件」について- 仮に計画期間で到達できなくとも、返納を求めない
- 本業のダウンサイジングを行い、ダウンサイジング後の売上高の10%でよい
- 事業者同士が協力して、大きな事業再構築の達成を期待している
- 審査において加点となり、仮に最大6,000万が3社集まれば1.8億円の補助額になる
以上、ざっと第一回公募結果について振り返りましたが、いかがでしたでしょうか。今回の調査のなかで、「そんなことで、申請が受け付けられないのか」との気づきや、「(奇抜ではない)普通の事業計画が採択されている」ことへの驚きがありました。本稿をお読みいただいた方へ、少しでも参考になれば幸いです。




