
今回のコラムは、最近話題のDX(デジタルトランスフォーメーション)について医療介護としてどのように取り組んでいくべきか少し触れたいと思います。
DXとは
DXとは、
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(参照:「
デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインVer. 1.0」経産省より)みなさまもご存じのとおり、医療介護業界も、ビジネス環境の変化が日々起こっています。外部環境の変化としては、医療介護を利用する高齢者の増加、支え手不足が進み、上記による社会保障費を抑制するため、地域包括ケアシステムの推進をしていく必要がある状況です。そして、その地域包括ケアシステムは完成されている訳ではなく、実現していくための変化途中と言えるでしょう。外部環境から企業に与える内部環境の脅威としては、報酬改定対応などによる必要作業増、そして残業増、最低賃金の上昇、いずれ低下する保険報酬単価がじわじわと経営を圧迫してくることが考えられます。この脅威から脱却し、勝ち残っていくためには、訪問するための時間がかかり、さらには他職種が絡み合うことによる調整量が増える地域包括ケアシステムを推進しつつ、いかに少ない支え手で、たくさんの医療介護サービスを提供できるかがカギとなります。そのためには、ビジネスモデルを変え、業務の仕方や効率化を図らなければなりません。実現を図るには、DXの導入は避けられないでしょう。
今後進めていくべきポイント
そこで今後進めていくべき、事案を二点挙げさせて頂きます。
ICTを利用
まず一つ目は、
他職種連携が必要なカンファレンスにはICTを利用することです。勿論対面が必要な場合は対面で行うべきですが、ただでさえ、忙しい人達ばかりを集める必要があるわけですから、移動時間を気にせず、どこでもできる環境を作ることは、数を対応しなければならない状況では必要な環境です。コロナ禍を機に、法的にもICTの活用が認められてきています。集まる時間が合わないことにより、患者さん・利用者さんの獲得の機会を損失する可能性も十分にあります。
他職種間の情報連携システムの構築
次に他職種間の情報連携システムの構築です。現状、各医療機関、介護事業所間の患者さん・利用者さんの情報やり取りは、FAX、郵送や手渡しでのやり取りが大半を占めているでしょう。その状況では、もらった情報を自社のシステムに取り込むために毎度毎度すべて手入力が必要です。また、連携事業所へ情報を送るときは一度送付用に印刷をして、各事業所別に手作業で送らなければなりません。その時間にタイムラグが発生し、一度別の医療機関や事業所で聞いた情報を患者さん・利用者さんに再度聞いてしまうこともあります。これは、患者さん・利用者さんにとって負担でしかありません。
この患者さん・利用者さんの情報をデータでやり取りし、ある程度の情報は自社システムにインポートできれば、上記負担は改善され、より情報連携がしやすく地域包括ケアシステムの推進がしやすくなるでしょう。他職種同士連携できることを顧客や関係者にアピールできれば、法人としての優位性を作っていくことの一つにできることも考えられます。最近の介護システムなどでは、利用者さんの居宅介護のサービス計画表などをインポート、エクスポートできるようになってきていますが、戦略的に活用していこうという事業所は、あまり見受けられないのが現状です。なお、
DXの推進には、経営トップ自らがこれらの変革に強いコミットメントを持って取り組んでいるか、とデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインに記載されております。医療介護業界において、IOTなどの情報通信技術の活用は、他業界と比較して苦手意識があり、抵抗の多い業界かと思います。だからこそ、経営トップ自らがリーダーシップを発揮して推進していかなければなりません。ぜひ今後の経営、事業展開のヒントにしていただければ幸いです。