
SWOT分析とは
改めてですが、SWOT分析はご存知でしょうか。 企業の戦略を考える上で、内部環境である S:強み、W:弱み、と外部環境である O:機会、T:脅威、とに分けて状況判断をしましょう、というやつです。 まあ、マーケティングの本なんか見ると、大体最初の方に書いてありますね。おそらく、このコラムを見られている方は経営者が多いと思います。ということは、自社のSWOT分析をしたことがある方も多いのではないでしょうか。 だけど、そんな基本のSWOT分析だから、奥が深く、その使い方によって差が出てくるものです。 一般的には、1,まず自社のSWOTを整理する2,その上で、クロスSWOTで戦略をまとめる3,その戦略を取捨選択する4,戦術、アクションに落とし込むって感じでしょうか。ちなみに、クロスSWOTというのは、SW、OTをそれぞれをかけ合わせて考えるものです。 S(強み)×O(機会):自社の強みを機会に活かし大きく成長するS(強み)×T(脅威):自社の強みを活かし脅威を避けたり機会として活かすW(弱み)×O(機会):弱みを克服して機会を活かすW(弱み)×T(脅威):弱みを理解し脅威を避け影響を最小限にする
SWOT分析での着目ポイント
ここで皆様はどれに着目するでしょうか?おそらく、S(強み)×O(機会)と考えられるのではないでしょうか。もしくは、W(弱み)×T(脅威)かもしれません。大きく成長が見込まれる分野か、リスクが大きい分野か。ただ、このあたりは誰でもそう思うのです。マーケティングの本にも書いてありますから。S(強み)×O(機会)に経営資源を集中させ、効率的に企業を発展させましょう!って。上で、注目いただきたいのは、「誰でもそう思う」という点です。そう、普通です。みんなそうします。では、みんな事業が成功するのか。というと、そういうことはありません。では、何が成功する会社とそうでない会社を分けるか。このポイントが、
S(強み)×T(脅威)なのです。マーケティング本だけでは、見逃しがちなこの領域。でも、実はここの捉え方が差を作ります。どういうことか。
S(強み)×T(脅威)この領域は強みを使って脅威に打ち勝つ、と書かれています。前提として、S(強み)を守る、またはさらに強化する、としています。だけど、現実の経営環境では、S(強み)でT(脅威)に打ち勝てないってことは、頻繁に起こります。つまり、強みを守ろうとするあまり、脅威に飲み込まれてしまうのです。実例を紹介しましょう。コダック(Kodak)という会社、ご存知でしょうか?写真フィルムの最大手だった会社で、デジタルカメラが普及する前、皆さんお世話になっていると思います。この会社は、2012年倒産しました。写真フィルムが全盛期だったころ、高い技術力を背景に大きな成功を収めていました。2000年以降のデジタルカメラの普及という、脅威に対して、強みである写真フィルムを守ろうとしたがため、倒産という結果になりました。現在マーケティング業界では、この事例から市場が急激な変化をするタイミングを「コダック・モーメント」と呼ぶようになっています。さまざまな市場で、急激に環境変化、コダックモーメントが起こり得る昨今、いかに柔軟にS(強み)×T(脅威)に対応できるかが成否を分けます。まさに、変化が続いている医療介護業界で、必須の考え方ではないでしょうか。オリンピック選手と違って、長年に渡って行う企業経営ですが、日々努力するという点は同じです。その努力が事業の金メダルという形となるよう、今回のコラムも参考になれば幸いです。最後に。ちなみに、コダックは倒産後再出発し、商業印刷の大手として2013年に再上場しております。ただ、従業員数は最盛期の10分の1となっているようです。